レーシック(LASIK)治療とはレーザー屈折矯正手術のことです。レーシック(LASIK)は屈折異常である近視・遠視・乱視の視力回復を目的とした治療方法です。レーシック治療(LASIK)は、厚生労働省に認可されて以来、急速に普及している視力回復方法です。レーシック手術でメガネやコンタクトレンズの煩わしさから開放されることや手術時間が短いことがその理由と考えられます。スポーツをする人やアレルギーなどでコンタクトレンズ装用ができない人は視力回復方法としてのレーシックを検討するのも良いでしょう。
レーシック治療で失敗しないように病院選びはもちろんのこと、医師のの説明を十分に聞いて納得した上で手術にのぞむことが大切です。視力回復・矯正方法には、レーシックの他に、眼鏡・コンタクトレンズ・オルソケラトロジーなどがあります。それぞれ長所短所があります。自分の目に合ったもので、ライフスタイルを考慮した視力回復・矯正方法を選択することが大切です。
■レーシック(LASIK)による視力回復が適していると考えられる人
○アレルギーなどでコンタクトレンズ装用ができない
○長時間のパソコン作業や細かい作業で、メガネやコンタクトレンズによるドライアイ・眼精疲労・頭痛・肩こりで悩んでいる
○左右の視力の差が大きく、生活に不便を感じている
○職業上、メガネやコンタクトレンズでは差し障りがある
○スポーツが趣味でメガネやコンタクトレンズが邪魔と感じている
レーシック治療とは
レーシックの手術
レーシック手術において、手術後に早ければ1日でメガネやコンタクトレンズでの矯正視力と同等レベルの視力が回復し約1ヶ月で安定するといわれています。レーシック手術が出来るかどうかの適応検査で不適応と診断された場合は、レーシック治療は出来ません。ただし、レーシック手術を受けられるかどうかは、病院や医師の判断で異なるようです。
■レーシック手術前の問診と検査
レーシック手術の前に問診と検査が行われます。問診時に、眼病や体の病気の既往歴、アレルギーの有無などを伝えます。レーシック手術についての不安や質問を医師に話して十分に納得のいく説明をうけましょう。一般的に次のような検査が行われます。
視力検査、眼圧検査、角膜形状・角膜内皮・黒目球面形状の検査、コントラスト視力、眼底検査(瞳孔を開いた状態での眼底検査)などです。
■レーシックの手術が不適と診断される可能性のあるケース
○眼球が成長過程にある17~20歳以下
○20歳以上でも近視が進行中
○妊娠中・授乳中
○糖尿病・膠原病・重症アトピーなどの体の病気
○眼病(白内障・緑内障・円錐角膜など)、強度の近視・乱視・ドライアイ、子供の頃からの弱視
○角膜に副作用のある成分を含む抗精神薬を服用
○角膜の厚さが不十分
○職業上の制約
■レーシック手術の流れ
レーシック手術は両眼15分~20分で完了します。最終チェックの後に点眼麻酔をします⇒マイクロケラトーム(眼球専用のカンナ)で作ったフラップ(角膜表面の蓋)をめくります⇒エキシマレーザーを当てて角膜の屈折力を変えます⇒フラップを元の位置に戻し接着します。
※マイクロケラトームは改良が重ねられることでフラップ作りで起きやすいトラブルに対処できるようになってきているようです。
※一般的なレーシック(LASIK)のほかにイントラレーシック(Intra-LASIK)という手術があります。レーシックのフラップ作成ではマイクロケラトームという金属刃を用いるのに対し、イントラレーシックでは、コンピュータ制御によるレーザーでフラップ作成をします。イントラレーシックはレーシックよりも強度の屈折異常の視力矯正ができ、視力回復の成績が良好といわれています。
※レーシック(LASIK)は、PRKやラセック(LASEK)やエピレーシック(Epi-LASIK)よりも角膜に濁りが生じにくいという利点があるといわれています。
レーシックで失敗しない
レーシック手術は簡単にできるメリットがある反面、レーシックも手術であることから、100%安全で効果を得られるとは限らないことを忘れてはいけません。失敗せず望む効果が得られるよう、慎重に病院選びをして、十分な検査をうけ、医師の説明を聞いて十分納得した上でレーシック手術を受けましょう。
■レーシック手術の病院選び
医師の腕と使用する装置が手術後の結果の違いとして現れます。レーシック手術を行う病院が増えてきましたが、日本眼科学会が認める日本眼科学会認定専門医によるレーシック手術が望ましいです。手術費用やチラシ・パンフレットだけで判断するのは危険です。
■レーシックの手術後の注意事項
手術後約1週間はデリケートな期間です。目を擦ったり押さえることはせず、水・埃・ゴミが目に入らないようにし、目を酷使するような作業をを避けます。医師の指示に従って術後の生活をすることが大切です。目に異常を感じたらすぐに医師の診察を受けてください。
■レーシック手術による合併症・失敗
レーシック手術においてフラップ作成が重要になります。フラップ作成の失敗とは、フラップがとれる・穴があく・小さくなるトラブルなどのほか、フラップの切断面が粗いために不正乱視や目標視力がでないこともあります。レーシックではフラッグ作成に金属刃を使用するためフラップの切断面が粗くなる傾向にあります。
○レーシック手術の後に、目がゴロゴロする重いなどの違和感、ドライアイ、光を眩しく感じるグレア現象、明るい光の周囲がにじんだようようにもやが見えるハロ現象、視力の不安定などの症状が現われることがあります。これら症状は数ヶ月で落ち着くといわれています。
○レーシックで手術後1週間ほど角膜上皮層の再生による角膜混濁が起きます。その後も角膜混濁が残る場合は治療が必要になります。PRK・レーゼック・エピレーシックにくらべて発生頻度はは低いのですが重度の角膜混濁の場合は角膜移植をが必要なことがあります。
○レーシック手術でレーザーが均一に照射されないと不正乱視を引き起こすことがあります。この不正乱視は不均一に照射された場所が治れば自然に改善されるといわれています。
○レーシック手術をしてもレーシック手術前の視力に戻ってしまうこともあるようです。その場合は再手術になります。
レーシックと保険
レーシック治療に保険が適用になるかどうか気になりますね。残念ながらレーシック治療に健康保険は適用されませんから、全額自己負担になります。ですが、生命保険の手術給付や医療費控除の対象になる場合があります。
生命保険の契約内容によりますが、3~10万円の手術給付金が支給されるようです。レーシックの前に、保険会社に問合せをするなど契約内容を確認し、レーシックが手術給付金の対象になっているならば給付に必要な診断書を病院に依頼してください。
年間医療費が10万円を超える場合、領収書を添付して確定申告することで医療費控除を受けることができます。医療費控除とは一つの病気に限らず、税務署で認める他の病気や治療にかかる費用全てを含む年間医療費の金額が控除対象額になり、還付金は所得税率などの計算により決定されます。レーシックの前に、医療費控除の対象になるかどうか税務署に確認してください。
レーシックと老眼治療
残念ながら老眼にはレーシック(LASIK)治療は近視・遠視・乱視のように効果的とはいえません。40歳ころから自覚し始める老眼は屈折異常ではなく調節異常で、殆どの人が老眼になります。レーシックで屈折異常の近視・乱視・遠視を視力矯正しても、年を重ねることで老眼になります。レーシックによって近視が治ってしまったために老眼を強く感じるようになることもあります。老眼の治療に老眼治療CK(伝導性角膜形成術)を行うクリニックも増えつつあります。老眼治療CK(伝導性角膜形成術)は角膜を遠近両用のレンズ様に形成する医療技術です。
■レーシックで老眼に対処する方法
老眼でレーシックを望む場合は2つの方法があります。
○軽い近視が残るようにレーシックの度数を設定する
良好な裸眼視力は望めませんが老眼を自覚する時期を遅らせることができるといわれています。
○片目で遠くが、もう片方の目で近くが見えやすいような度数に設定する
左右の目の見え方が異なるため慣れるまでに時間がかかるというデメリットがあります。
■伝導性角膜形成術で老眼治療:NearVision(ニアビジョン) CK
CK(Conductive Keratoplasty)とは、伝導性角膜形成術という治療名称の略語です。老眼治療CK(NearVision CK)とは、角膜の中心から6~8mmの周囲にラジオ波をあてて角膜のコラーゲン組織を収縮させることで、角膜の中心部分は元のカーブを維持しつつ治療した外周部分のカーブを変えることで近くと遠くが見えるようにする老眼治療方法です。この老眼治療CK(伝導性角膜形成術)という老眼治療方法では、遠くの見え方があまり低下せず近くが見えやす くなるといわれています。通常、遠くを見るときは目線は真直ぐなので角膜の中心を使い、近くを見るときは目線が下がるので角膜の外周を使って見ています。老眼治療CK(NearVision CK)は、角膜を遠近両用のレンズのように形成する治療で、その結果得られる視力をブレンドビジョンと呼びます。この老眼治療CK(NearVision CK)は、利き目でない方の片眼にだけおこなうことが多いようです。人は普段は主に利き目で遠くを見て、もう一方の目は補助的な役割をしているため、利き目は遠くを見るために残し、利き目でない目に老眼治療をするのです。この治療後の見え方に慣れるのに時間がかかるようです。老眼治療CK(NearVision CK)はレーシックを行った後でも可能で、3回くらいまでこの老眼治療が可能といわれています。日本においても、伝導性角膜形成術(CK)を行うクリニックが増えつつあります。老眼治療CK(NearVision CK)はメスやレーザーで角膜を傷つけない安全で効果的な治療方法とされていますが、他治療と同様にリスクは伴います。

